美すぃ日本語

慣用表現的なものと言うのは、世界各国の言語に存在する訳でありますが
日本語には、例えば「引退」についてのそういった表現は色々あるなァ、と。


割と様々なスポーツで使われるのは、
その競技の行われている場所から立ち去ると言う表現。
例えば、サッカーなんかであれば「ピッチを去る」、
バレーボールやテニスであれば「コートを去る」、
ボクサーなら「リングを降りる」と言った具合。

他に、聞きそうで案外聞かない気がするのが「グラウンドを去る」。
あとは競走馬や騎手であれば「ターフを去る」はありますが、
ダート馬や地方馬の「ダートを去る」はあまり聞きません。
野球のピッチャーであれば「マウンドを降りる」もアリかなぁ、と思いますが、
それだと単にリリーフピッチャーが出てくるだけって感じもするから、
これも案外聞かない気がします。
まぁこれを言うとサッカーの「ピッチを去る」も途中交代の時に使いますが。

スポーツ以外なら、落語家は「高座を降り」ますし、
政治家は「永田町を去り」ます。


それから、道具を使うスポーツだとそれを置く、とか。
大抵のスポーツは靴を履いて行いますから、
「スパイクを脱ぐ」は色々なスポーツで使えるような気がします。
また、チームスポーツなら「ユニフォームを脱ぐ」。
ただしこれは移籍する時にも使います。

その他、野球なら「バットを置く」に「グラブを外す」。
アイスホッケーなら「スティックを置く」。
これは多分ドラマーが引退する時も使われるでしょう。
スティックではなく「ステッキを置く」のは騎手。
他に、卓球とかテニスは「ラケットを置く」も使うような気がします。
スポーツ以外だと歌手の「マイクを置く」が代表でしょう。

それと、道具とはちょっと違いますが力士の「まげを切る」ってのもあります。
「まげを切る」は良いですが、「まわしを脱ぐ」は使わない方が良さそうです(笑)


で、このようにつらつらと引退の表現を並べた理由と言うのは、
ヲタの引退の場合はなんと表現するんだろう、と思ったから。
これ、案外共通する表現が無かったりします。

例えば、「ペンライトを置く」又は「サイリウムを置く」は、
確かに使えなくは無いのですが、
全てのヲタがそれらのものを持っている訳ではないので必ずしも使えない。
同じように、「ヲタTを脱ぐ」もヲタTシャツを必ずしも着ている訳ではないし、
「推しジャンプをやめる」も、「振り真似をやめる」も、「ヲタ芸をやめる」も、
それらの行為をしたことの無い人がいるのであります。
と言うかそもそも、「コンサートホールを去る」が在宅ヲタに対応していません。

で、何と言えばそこそこ美しい表現が出来るのだろうか?と考えた挙句、
1つ思いついたのが「無駄金を使わなくなる」です(笑)
でもこれだとヲタとして日々を全否定してしまうので、ちょっとネガティブ。
そしてもう1つ、これなら良いんじゃないか、と思った表現がこれ。

「萌え尽きる」

「燃え尽きる」だとカッコ良いからヲタには不向きなんですが、
これなら、適度なカッコ悪さがあり、尚且つ全てのヲタに共通しているように思います。
今後、ヲタ引退の際には、是非使ってみてください(笑)